【 さくらもち家 〜緑色のふわっとしたもの2〜 】 作者:てっそ <概要> 病院にきました <登場人物> ・さくらもち父 優しくておっとりしてる。 標準語。 若いころは結構やんちゃだった。 ・さくらもち兄 人間にすると11歳くらい。 関西弁。 一人称は俺。 背伸びしたいお年頃。 ・三色団子さん 三つ子の団子。 この界隈唯一のお医者さん。 緑…適当。 患者を不安がらせるのが好き。 あとウザイ。 白…笑顔が素敵で優しい先生。 たまに毒がある。 赤…逆のことばかり言う。 頑固親父。 あとウルサイ。 <配役> 父: 兄: 三色(緑): 三色(白): 三色(赤): |
○リビング | |
兄、泣いてる。 | |
001 | 父「ただいま」 |
002 | 兄「お゛どーぢゃん゛、お゛がえ゛り゛…ぐすっ」 |
003 | 父「どうしたんだい? そんなに泣いて」 |
兄のお腹に気づく。 | |
004 | 父「おや? 最近雨ばかり降ってるからねぇ、カビが生えちゃったか」 |
005 | 兄「父ちゃん、カビって治らへんのやろ…?」 |
006 | 父「治るよ」 |
007 | 兄「不治の病なんちゃうんか…?」 |
008 | 父「そんなことないよ。でも手遅れになるといけないからね。病院に行こうか」 |
○三色クリニック | |
009 | 三色(白)「次の方どうぞ」 |
010 | 父「お願いします」 |
011 | 三色(緑)「次の方どうぞ(診察室の外に呼びかける)」 |
012 | 父「次の人だって、行こうか」 |
013 | 三色(白)「違いますよ。さくらもちさんの番ですからね」 |
014 | 父「あぁ、そうですか。それじゃあお願いします」 |
015 | 兄「父ちゃん、先生三人一緒に診るんか…?」 |
016 | 父「三色クリニックの先生は三色団子だからね、いっぺんに診てもらえてお得だろう?」 |
017 | 兄「お得とかそういう問題なんかな」 |
018 | 三色(白)「今日はどうされたんですか?」 |
019 | 三色(緑)「苺を喉に詰まらせて“いちご大福”にでもなっちゃったんですかぁ?」 |
020 | 父「苺は詰まってませんよ。ちょっカビが生えてしまいまして。ほら、お腹出しなさい」 |
021 | 兄「ん…」 |
022 | 三色(赤)「(クワッと目を見開いて大声で)これはイカン! 余命6日!」 |
023 | 兄「え?!」 |
024 | 三色(白)「そんな事ありませんよ。大丈夫ですからね(至って穏やか」 |
025 | 三色(緑)「6日かぁ。6日なんてあっという間だよね、困ったねぇ、どうしようねぇ」 |
026 | 兄「とうちゃ…(涙声)」 |
027 | 三色(白)「お薬飲めばちゃんと治りますよ」 |
028 | 兄「でも今赤い人が…(涙声)」 |
029 | 三色(白)「あぁ、あれは“6日で治る”という意味です」 |
030 | 兄「え…そうなん…?」 |
031 | 三色(白)「ええ(にっこり」 |
032 | 三色(緑)「無理無理。はいむーり、むーり、むーり(無理コール)」 |
033 | 三色(白)「赤いのと緑のは口を閉じないと牛肥(ぎゅうひ)ぶち込んで黙らせますよ(にっこり)」 |
034 | 兄「先生、目笑ってへん」 |
035 | 父「楽しい先生達だね」 |
036 | 三色(白)「(爽やかな笑顔で)ではお薬を6日分出しておきます。きちんと飲んでくださいね」 |
037 | 三色(緑)「じゃあすっごい苦い薬出しとくから。頑張って飲んでね」 |
038 | 三色(赤)「6日じゃぁぁぁぁぁぁ!!!」 |
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