【 さくらもち家 〜お月見〜 】
作者:てっそ

<概要> 月にいる兎さんのヒ・ミ・ツ。


<登場人物>
 ・さくらもち父
  優しくておっとりしてる。
  標準語。
  若いころは結構やんちゃだった。

 ・さくらもち兄
  人間にすると11歳くらい。
  関西弁。
  一人称は俺。
  背伸びしたいお年頃。

 ・さくらもち弟
  人間にすると9歳くらい。
  喋り方がちょっとアホの子?
  関西弁。
  一人称はわし。
  匂いに敏感。


<配役>
 父:
 兄:
 弟:
 SE用:



○外
弟、空を見上げながら、
001 弟「おおおおおおおお・・・綺麗やなぁ〜・・・・見事やのぉ〜〜」
002 兄「うるさい」
弟の頭を叩く。
003 弟「何すんのー」
004 兄「うるさいねん、ちっとは黙れやー。兄ちゃん今本読んでるんやから」
005 弟「何読んでるん?」
006 兄「部屋と桜の葉っぱとわたし」
007 弟「なんそれ」
008 兄「小説のタイトル(ちょっとウザそう)」
009 弟「今日は十五夜なんやから、お月さんみようやー」
010 兄「十五夜・・・・だと?!(顔面蒼白)」
011 弟「そうやで〜、まん丸でごっつ綺麗や(うっとり)」
012 兄「十五夜はあかん! お前はよこっち来ぃや!」
013 弟「ちょっ、なにすんの引っ張らんといてっ」
014 兄「父ちゃん大変や!! 今日十五夜やて!!!」
015 父「あぁ、そうだね。見てごらん、月明かりで影が出来てるよ」
016 兄「そんなしとる場合ちゃうやろ! 急いで隠れんと・・・どないしょ・・・・・・どっかに隠れんと・・・」
017 弟「兄ちゃんどしたんさっきから」
018 兄「お前知らんのんか?! 十五夜言うたらうさぎさんが・・・・うさぎさんが・・・・・・・・・・・・・・・(ガクブル)」
019 父「・・・・あぁ、あの話の事か(ぽんと手を打つ)」
020 弟「あの話?」
021 父「うん。十五夜にはある言い伝えがあるんだよ」
022 弟「へぇ、どんなどんな?」
023 父「月にうさぎさんがいる事は知ってるだろう?」
024 弟「知ってるー」
025 父「月にいるうさぎさんはお餅が大好きなんだ。だから僕たちが月をみると、いつもお餅をついてるだろう?」
026 弟「うんうん」
027 父「そのお餅はどこから調達してると思う?」
028 弟「んー・・・普通にお米から作ってるんちゃうの?」
029 父「ちょっと違うんだなぁ」
030 弟「じゃあどうしてるん?」
031 父「それはね…(声音が変わる) 毎年十五夜になると月からエージェントが派遣されるんだ。そのエージェント達は僕たちのような餅をさらっていくんだよ。さらった餅をどうするかって? 勿論うさぎたちの食料になるんだよ。僕たちは生きてるから、生かしてさえおけば痛まないしダメにならないからね。彼らにとっては恰好の獲物ってわけだ。そして地球からでも見えるあの臼で・・・」
≪SE:餅達の阿鼻叫喚の声/コワイヨー コロサナイデー カエリタイヨー≫
032 父「毎日一人ずつ、うさぎさんの気分で選ばれるんだ。臼の中に逃げ場があるはずもなく、目を血走らせたうさぎ達が・・・杵を振り上げて・・・・・・」
≪SE:やっやめてくれ! なんでもするから! たっ助けて殺さないでくれーーーっ ベシャッ・・・≫
033 兄「ア゛ァァァァァァァァァァァァァ!!!」
034 弟「ギャァァァァァァァァァァァァ!!!」
035 父「なんてね☆」
-end-
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