【 ペットボトル 】 作者:てっそ <概要> ペットボトルの擬人化です。真っ暗な中で、二人の声だけするイメージで書いてます。 ちょいグロ? 全体的に暗いけど真剣にバカやる感じ。 <配役> 身♀: 蓋♂: 男♂: |
| ■1 | |
| 001 | 蓋「暗い」 |
| 002 | 身「ここはとても、暗い」 |
| 003 | 蓋「寒い」 |
| 004 | 身「ここはとても、寒い」 |
| <SE:間> | |
| 005 | 身「ここには沢山の人がいる。沢山の人が、敷き詰められている」 |
| 006 | 蓋「狭くて暗くて寒い場所。何も見えない。時折聞こえる、音」 |
| <SE「ガタンガタン(小さく自販機からペットボトルが落ちる音)> | |
| 007 | 身「もうすぐ私たちの番」 |
| 008 | 蓋「もうすぐ俺たちの番」 |
| 009 | 身「予告のないソレから逃れることは出来ない」 |
| 010 | 蓋「ソレは真っ暗闇の中から突然―――」 |
| <SE:ドンッ(いきなり床が開く音)> | |
| 011 | 身「キャァァァァァ(声が小さくなってく)」 |
| 012 | 蓋「ぅわぁぁぁぁぁ(声が小さくなってく)」 |
| ■2 | |
| <SE:ガタン!!(大きな、ペットボトルが落ちる音)> | |
| 013 | 身「イタイ」 |
| 014 | 蓋「体が痛い」 |
| 015 | 身「あの人はどこ?」 |
| 016 | 蓋「俺はここにいる」 |
| 017 | 身「良かった。私たちはまだ、きちんと繋がれている」 |
| 018 | 蓋「俺たちはまだ、こうして繋がれている」 |
| ■3 | |
| 019 | 身「眩しい」 |
| 020 | 蓋「とても眩しい」 |
| 021 | 身「熱い」 |
| 022 | 蓋「とても熱い」 |
| 023 | 身「汗をかいた男の汚らしい手が、私の体に触れる」 |
| 024 | 蓋「ギラギラとした眼差しが纏わり付く」 |
| 025 | 身「汚らしい男の手が、ギュッと私を掴む。冷や汗が止まらない」 |
| 026 | 蓋「男はそのままこちら見ると、ゆっくりと俺の首に手をかけた」 |
| 027 | 身「やめて、その人に触らないで」 |
| 028 | 蓋「男の手に、次第に力が入る」 |
| 029 | 身「お願いやめて。そんな事したら彼が―――」 |
| 030 | 蓋「男は一つ唾を飲み込み、俺の―――っぐぁっ」 |
| <SE:バキバキバキッ(蓋開ける音 でもいいし骨とか関節が逝くでもいい)> | |
| 031 | 身「いやああああああああああああああああっ!!!!! 」 |
| ■4 | |
| 032 | 身「男の目が目がこちらに向く。 手に力が入る。 っ、やめてっ! ソコはっ…ぃやっ。男が喉を鳴らす。離してっ、やめっ…。 私に口をつけ、私の全てを奪っていく。こうなる事は分かっていた。覚悟もしていたつもりだった」 |
| ■5 | |
| 033 | 身「全てが終わったあと、彼の亡骸だけが返された。彼はもういない。男が私の体を撫で回す。私は空っぽだった」 |
| 034 | 男「っぷはーっ! あーーー喉かわいて死ぬかと思った。案外美味しかったな、コレ」 |
| -end- |
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