【 レッツ花見 】
作者:てっそ

<概要>
 研究室のちょっとした日常。年齢はご想像にお任せします(笑)

<登場人物>
 ・南♀
  身なりを気にしない研究員。だらしない。髪はショートでボサボサ。
  研究室にいる歴は一番年長。

 ・高木♂
  メガネをかけた研究員。生真面目。
  研究室にいる歴は2番目。

 ・香田♂
  明るい茶髪で楽観主義。「なるようになる」とその場に流されるタイプ。
  研究室にいる歴は一番若い。

<配役>
 南♀:
 高木♂:
 香田♂:


○研究室
001 高木「おはよう」
002 香田「おはよございまーす」
003 高木「何か進展あったか?」
004 香田「いーえ。目立った進展は特にありませんね〜」
005 高木「そうか」
社長椅子のような立派な椅子で寝てる南を見つける。南はスツールに頭を乗せ、背もたれに足を投げ出して熟睡。
006 高木「ハァ…。南さん」
007 南「zzz...」
008 高木「南さん」
009 南「ん…んん……」
南の耳元でぼそっと、
010 高木「・・・引き出しの中に隠してある八海山、捨てますよ」
011 南「やめてーーーーーー!!!」
悪夢から覚めるように、ガバっと起き上がる。
012 高木「おはようございます」
と、にっこり笑うがすぐ真顔に戻る。
南、高木を憎ったらしそうに見ながら、
013 南「…おはよ」
高木、自分のデスクに行って、準備をする。
014 高木「朝方までやってたんですか?」
南、スツールの上に座ったまま、まだ眠そうに頭をかいてる。
015 南「んー、まーねー」
016 高木「まぁ寝てるのは構いませんけど。どうしてそんな格好してるんですか?」
017 南「そんな格好って?」
018 高木「白衣の下、上半身は下着だけですよ?」
019 南「…あー、これ。大丈夫、見せブラだから」
020 高木「そういう問題じゃないでしょう」
021 南「じゃあどういう問題なのよ」
022 高木「・・・・・・・もういいです」
023 香田「アハハ、大丈夫ですよ高木先輩。今更南先輩を女としてみる人なんて、研究室(ここ)にはいませんから」
024 南「アンタねぇ」
025 香田「だってほら、南先輩胸小さいし」
026 南「っふ、まだまだお子ちゃまね。世の中には小さい胸が好きな人もいるのよ」
そう喋りながら流しに顔を洗いに行く。
027 香田、それを目で追ってから振り向いて高木に、
028 香田「ロリコン以外いるんですか? そんな人」
029 高木「俺に聞くなよ」
香田、ニィッっと笑って、
030 香田「だって〜」
031 高木「ニヤニヤするなっ、気持ち悪い」
南、顔を拭きながら戻ってくる。
032 南「あ゛ーあったかくて柔らかい布団で死ぬまで寝たい」
033 香田「それじゃ死んじゃってますよ?」
034 南「それでもいい」
椅子に正しく座って、ふと窓の外の見る。
035 南「ちょっと大変!!」
036 高木「どうした?!」
037 香田「何か見つかったんですか!?」
038 南「桜咲いている!!」
039 高木「…それが?」
040 香田「…南先輩は篭りっぱなしだから知らなかったんですね〜。今日は昨日より気温上がりますから、8部咲き位にはなると思いますよ?」
041 南「どーしてそんな大事なこと教えてくれないの!? 全く使えないわね」
042 香田「何かあるんですか…?」
043 南「バカねぇ。桜と言ったら花見に決まってるじゃない!」
高木、呆れたように、
044 高木「そんな時間ないだろ」
南、テキパキと外出の準備をしながら、
045 南「気分転換は必要よ。ささ、二人ともその手に持ってるヤ〜な物は置いて今すぐしゅっぱーつ!」
046 香田「えっ、ホントに行くんですか?!」
南、入り口前でキュッと振り返って、
047 南「持って行っていいのはお財布だけ! 携帯は置いてくこと! 特に高木ぃ〜? 分かったわね!」
048 高木「はぁ……。はいはい。仰せのままに」
南、満足そうに笑う。
049 南「よぉし。では、レッツお花見ぃヒャッホーイ」
と、研究室を出てく。
050 香田「南先輩、すごいテンションですね」
高木、研究室の入り口を見て苦笑しながら、
051 高木「こういうの、好きな人だからな」

―以下フェードアウト用台詞―

○廊下
052 香田「南せんぱ〜い、待ってくださいよーっ」
053 南「早くしないとおいてくわよ〜」
香田、追いついて隣に並ぶ。
054 香田「お花見か〜。今年は諦めてたから嬉しいな〜♪」
055 南「やっぱり風物詩は思う存分楽しまないとな!」
056 高木「それで間に合うのか…?」
057 南「あーあー聞こえなーい」
-end-
(C)薄雲鼠